当大学病院では高度で専門的な医療を行なっているがゆえに、細分化されていていったいどこの診療科に相談したらよいか、悩ましい患者様もおられます。総合診療科は、内科初診の方を含め、そのような患者さんのご紹介をお受けしております。主に内科的な疾患で、具体的には、発熱、全身倦怠感、胸部の症状(胸痛、動悸、呼吸困難など)、腹部の症状(腹痛、腹部膨満感、嘔気、下痢、便秘など)、腫れ、痛み、めまい、脱力、不眠、ほてりなど様々な症状に対応しております。スタッフは、総合診療科を専攻するドクターのほか、循環器、消化器、呼吸器、神経、内分泌・糖尿病など、それぞれのスペシャルティを併せ持つドクターが分担して診療しております。また、例えば不明熱など、入院精査加療を要するような症例については、当科で入院フォローアップもお受けしています。そういった中で、漢方外来や心療内科外来などとも連携をとりながら包括的全人的な医療をご提供すること、診療の方向性が見出されるまで身体的な疾患や心理的な問題をお持ちの患者さんおひとりおひとりに寄り添うこと、を大切にしています。
当科は大学の使命である教育についても力を入れております。臨床実習の医学生いわゆるスチューデントドクターは、臨床実習で実際の初診外来患者様の予診や診察を担当し、医療面接や臨床推論といった実践的なことを中心に学んでいます。また、研修医については、臨床研修制度改定により一般内科外来診療が必修となっており、当院総合診療科でも研修医ローテーターが学びながら外来の最前線に立って頑張っています。また、当総合診療科を専攻するレジデントも増えつつあり、将来地域で活躍できる家庭医や総合診療専門医が輩出することを目指しています。医学生・レジデントの指導を含め診療に多少お時間はおとりしますが、十分にお話を聞かせていただくなど、丁寧な対応をさせていただきますので、何卒ご理解とご協力をお願い致します。
(なお、2020年から新型コロナウイルス感染症対応の業務も兼ねており、十分にご相談をお受けすることができない場合もしばしばございます。誠に申し訳ございませんが、ご理解ご協力のほど宜しくお願い致します。)
2021年5月 診療科長 丹羽文俊